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2015年10月 2日 (金)

2つのGeophysicライン新製品「国産クオーツ?ステップ運針だし」

930日、全世界で一斉に2つの新製品がJLCから発表された。

ほのめかすような内容はPuristSでも見られたが、それを差し引いても新製品は大きな驚きと疑問を私にもたらした。だいたい以下のような順番で、書きたいことを書くことにする。

(1) Geohysicを「ライン」として拡充してくることが単純な驚き

(2) デッドビートセコンドの機械を作ってきたこと

(3) ネーミングのセンス

(4) True Second

(5) Universal Time

True Secondの見た目を一言でいうと「国産クオーツ?ステップ運針だし。」

 

(1)から順番に書いてみる。

(1)Geophysicをラインとして拡充してきたことにより、結果として丸型時計のラインが煩雑になったことは否めない。古いマニアほど丸はマスター、角はレベルソという大まかな区分が染み付いていると思う。既にデュオメトルやランデブー、AMVOXなどで一概には言えなくなってきているが、それらは特徴的な役モノであり、基本的な三針時計がマスターラインからハミ出てくることはこれまで無かったように思う(Geophysic1958を除く)。

しかし、デッドビートという役モノを搭載しているとはいえ、TRUE SECONDは明らかに日常使う三針時計であろう。マスターコントロールとの大きさの差も殆ど無い。

それでは「ライン」として一貫性を持たせるために、「マスターとは違う何か」がある程度明確に判らないと、ラインアップとしてなんとなく気持ちが悪いと思うのだが。

共通項は1958まで含めると、「Geophysic(ような)ケース形状」だけとなり、1958を除けば、今回の新作2種だけだが「770系キャリバーを搭載したGeophysic(ような)ケース形状を持つ時計」となる。

一方、本家マスターもノーマルケース(ケースサイドがある程度厚く、ラグも無骨系)と近年拡充してきたUT系に分かれる。これは比較的わかり易いが、マスターコントロールとMUTデイト、それとTrue Secondはやはり被ると思う。今後の拡充と整理がどんな方向性になるのかは不明だが、カルトウォッチの名をシリーズに展開するという商法そのものは、下種で好きではない。

 

770

(2)デッドビートの機械を作ってきたこと、に関して、私は歓迎である。デッドビートはクロノメーターの代名詞とう感覚が個人的に強く、時計の性格にふさわしいと考えるからである。

特にデテントの動きはもう溜まらない魅力がある。10年くらい前から書いている気がするが(VCのクロノメーターロワイヤル復活のとき)、「クロノメーター」を名乗るのなら自動巻きではなく手巻きで、脱進器周りを通常のスイスレバーではない何か、理想的にはデテントというものを作り上げ、VCの復活クロノメーターロワイヤルに載せるべき、あわせてGeophysicが復活するのならそれは兄弟機として使われるべし、これを計画的にやるべきだったのではないかということである。

770はデテントではないが、Gyrolabという新型のテンプを採用しており、デッドビート化するための輪列も加わっている。一秒間の力を蓄えるための香箱が輪列に追加されているのも、見た目上好ましい要素である。テンプはDe Bethuneがやった形状に近いが、あれは3本アミダだったと記憶。形状そのものもそこまでは斬新ではなく、見た感じで精度が出そうな形状をしている。記憶を掘り起こすとExtreme Labで取り組みの成果は既に出ていて、それが一般ラインに落ちてきたものと捉えるのが良いと思う。このテクノロジを受けるのは、975系の改造版のように初見では思えたが、どうやら地板から新設計の機械のような気がする。ただし審美性は899系というよりも975系に近いような。

(3)ネーミングのセンス、これは(1)と同じようなことであるが、NicolasPに書いているとおり、これがGeomaticだったら賞賛する、と。これが全てである。

もう一つどうしても言いたかったのは、Geophysicは耐磁時計だったのに、それはどこへ行ってしまったのか。機械を見せたいのは理解出来るが、一体その時計の持つネームの意味ってなんだろう、と。これほどの軸のブレ具合を見てしまうとは思わなかった。根本的なところから誤っている気がするんですが。

Tb

 

(4)True Secondのデザイン・外装

デザインは復刻ではないためオーソドックスにまとめた感あり。デイト表示がついたGeophysicなどは考えられないうえ、ケースも39.6mmと大きい。195838.5mmですら大きいと思ったくらいであり、これはもうGeophysicというよりもただのうすらでかい時計である。

デザイン上で一番気になったのは、長短針の長さだ。ミニッツハンドはインデックス外端に、アワーハンドもインデックス内端にリーチしていないではないか。私は、ここが「国産と見紛う」最大のポイントだと喝破したい。

また斜めから撮った写真を見ると、文字盤・それぞれのハンド間のクリアランスが大きすぎる。高級時計はやはり文字盤に針が密着していないとダメだ。国産クオーツかと見紛うポイントその2である。

また無理やりGeophysicを名乗るためにつけた見返しの夜光ドットはどうだろう?インデックスの形状が夜光を載せられないのがGeophysicではあるが、その文法を無理やり守るならハンドももっと長くするべきだ。デザインはボロクソ書いたが、一点だけ歓迎すべきことがある。これまでの時計に比べて、特にセコンドハンドの出来は明らかに上がった。やっとロレに比肩するレベルになったのではないか。

 

Ut

(5) Universal Timeについて

これは直径41.6mm、厚さ11.84mmと記載されているとおり、ワールドタイムウォッチとしてはいささか大きい。ワールドタイムについては、あちこちのwebにも書かれている通り、一つのクラウンでその機能を発揮させ得るように簡易的であるが必要十分な機構となっている。この時計のいい所は、やはり文字盤だろうが、この時計の針もTrue Second同様に短いのがとにかく残念である。

最後にまとめ。

時計の直径については、これまで特にMUT系の時計では、コンマ1ミリ単位でケース径に拘り、総じて現在のトレンドよりもやや小さめのラインを揃えてきたところであったが、今回のシリーズはかなり大きく、いきなり無頓着になった感がある。またこれまでのJLCの時計は総じて、破綻の無い針の長さを持っていたが、これもまたいきなりの無頓着である。

針と文字盤のクリアランスが大事なこともJLCはわかっていたはずであろうが、これも拘り無く締りの無い時計となってしまった。

そう、国産クオーツのダメなところ全てがこの時計に宿ってしまっているのだ。そしてデッドセコンドとくればやはり「国産クオーツ?」この一言に収斂してしまう。

この時計を見るに今後JLCはマガリ期のような迷走を始めるかもしれない、そんな予感がする。

CEOの変更ってのは大きいねえ。

(10/3、一部追記しました)

 

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コメント

私も今日、ガラス越しに見てきました。お店の人は暇そうでしたが、まあ出してもらわなくても良いかな、という感じでした。クオーツにしては随分、値段が高いし(嘘)。

投稿: T2 | 2015年10月 2日 (金) 23時04分

コメントありがとうございます。私も近日中に見たいと思います。現物見た上でまた何か追記するかもしれません。しかし高いクオーツですね!

投稿: レベルソ好き | 2015年10月 2日 (金) 23時42分

 お久しぶりです。
本当にどうしたんでしょうね。
ステップ運針は面白いですが名前と言い
ガワもガッカリです。

投稿: ジェジェ | 2015年10月 3日 (土) 15時02分

ジェジェさん、ご無沙汰しております。
今日ブツを見てきました。印象が大きく違うようなことでもあれば書こうと思ったのですが、(当たり前ですが)web上の写真通りの印象でした。むしろ針間のクリアランスは、写真よりも酷いかもしれません。
JLCの行く先は、どうなんでしょうねえ?

投稿: レベルソ好き | 2015年10月 3日 (土) 17時44分

こちらの時計はまだ見ていませんが、先日、マスタームーン・メテオライト・SSモデルを見てきました。私にはケースの質感があきらかに落ちていると感じられました。今後のJLが心配です。

投稿: レショ~ | 2015年10月24日 (土) 00時06分

レショ〜さん、大変ご無沙汰です。書き込みありがとうございます。
マガリガーとか言ってデザインをボロクソに叩いていた頃からはや十年、イニシャルJLの前CEOに正しく導かれ、JLCは劇的に良くなり大躍進したと思っています。
しかしCEOが変わり迷走し始めました。耐磁時計であるGeophysicライン新製品がグラスバックとは何という軸のブレ具合でしょう!
また10年前に戻るのでしょうかねえ?

投稿: レベルソ好き | 2015年10月24日 (土) 20時50分

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