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2008年3月29日 (土)

Offの鞄

SatchelOffに普段使っていた鞄がだいぶへたってきていたのでちょっと前から物色。
革で気軽に使えてリーズナブルというのが条件だったのだが、探すと本当に適当なのが無い。
んで、結局英国の革工房にオーダーして1ヶ月で出来上がったのがこれ。
まあ作りは全く普通だし、革質もご覧の通りだがこの手作り感ありありな感じが使い込もう!という気にさせる。
丁度ポンドも下がってラッキー。ちなみにオーダー先はSNSのほうに晒す予定。

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2008年3月16日 (日)

GeomaticとGeophysicの精度

Geo_yg
JLC渾身のクロノメーター腕時計である上記2本の精度をそれぞれ1週間測定したので、ここに書き留める。webChronosのまとめと、若干の補足を付け加えたもの。
<共通事項>
・1週間連続使用
・どちらもLe SentierのJLCにてO/H済み
・月曜朝テストスタート。
・ウィークデイはデスクワーク中心、週末(6,7日目)はまったり
・±の数字は全て初日スタート時からの累積。

<Chronometre Geophysic>
初日:朝7時に全巻き、12時に確認:+0.5秒
 14時間時間着用後(21時)の精度:±0秒。夜は12時上にて保管
2日目:朝7時に全巻き、精度:-0.5秒程度。15時に確認:精度:-0.5秒程度 
 16時間着用後(23時)の精度:-1秒 夜は文字盤上にて保管
3日目:朝7時に全巻き、精度:+4秒。 15時に確認:精度:+5秒 17時:+4秒 
 16時間着用(21時):+5秒夜は12時上で保管
4日目:朝7時に全巻き、精度:+4.5秒12時に確認:精度:+4秒 17時:+1秒
 16時間着用(21時):±0秒 夜は12時上で保管
5日目:朝7時に全巻き、精度:+1秒 17時に確認:-2秒 
 16時間着用(21時):-3秒 夜は12時上で保管
6日目:朝9時に全巻き、精度:-1秒
 8時間着用で(19時):+1秒、夜は12時上で保管
7日目:朝8時の精度:+2秒、あえて全巻きしないで24時間以降の精度を測る。
 15時:+4秒、22時過ぎ:+6秒
パワーリザーブ:約56時間

結果としては、-3〜+6秒/日という必要十分以上の数字をたたき出した。累積を単純に平均すると1秒/日以内である。
保管は文字盤上が若干進み方向で、12時上だとほぼイーブン。故に夜間の保管姿勢で微調整できるので、一ヶ月着用し続けても累積で一桁内に納めることが可能と思われる。
事実一週間連続使用で、一度も時間合わせしないで累積で+6秒、と実に素晴らしい。
24時間経過以降は若干進み気味になるのは、ロービートチラネジ・ブレゲヒゲの機械らしい特性を持っていると思うが、それも実に穏やかなものである。
予想を超える鬼調整ぶりに今のところ脱帽であり、50年前のクロノメーターは、その性能を今でも確実に発揮している。

<Chronoetre Geomatic>
初日 朝7時に30回くらい巻いてスタート。13時計測、±0秒
 14時間着用後計測(21時)、±0秒、夜は12時上にて保管
2日目 朝7時に計測:+1.5秒 15時計測、+1.5秒
 15時間着用後計測(22時)、+2秒 夜は12時上にて保管
3日目 朝7時に計測:+2秒  14時計測、+2.5秒
  14時間着用後に計測(21時)、+2.5秒 夜は12時上にて保管
4日目 朝7時に計測:+3秒、13時計測、+3.5秒
 13時間着用後に計測(20時)、+4秒 夜は12時上にて保管
5日目 朝7時に計測:+6秒 15時計測、+6.5秒
 15時間着用後に計測(22時)、+7.5秒 夜は12時上にて保管
6日目 朝8時に計測:+9秒 15時計測、+10秒
 10時間着用後に計測(18時)、+10.5秒 夜は3時上にて保管(マイナスを意図した)
7日目 朝8時に計測:+13秒(あれ?)、10時間着用後に計測:+14秒
パワーリザーブ:約46時間

結果は±0秒〜+3秒/日、累積平均しても+2秒/日という精度をたたき出した。
手巻きのGeophysicと比べ、自動巻きはやはり安定している。一方で手巻きは、巻く頃合とか保持姿勢によって±を調整して日々使っていく、というような点において時計と付き合っていく「味」があると言えるであろう。また両者とも同じように日が経つにつれて+方向に振れていった。それまでの使い方としてはどちらも10日に1回程度であったため、慣らしのような効果があったのだろうか?この理由は見当がつかない。

<GeophysicとGeomatic テストのまとめと考察>
一日の精度のブレ       累積平均              
Geophysic(手巻き)     -3〜+6秒  ブレ幅:9秒    1秒/日      
Geomatic(自動巻き)    0〜+3秒   ブレ幅:3秒    2秒/日    

          振動数     ヒゲ     テンワ 
Geophysic(手巻き)   5      ブレゲ    チラネジ
Geomatic(自動巻き)5.5      平      スムース

 

上記を見ながら考える。一日の精度のブレは、Geomaticのほうが上で、累積平均はGeopysicのほうが上という結果となった。しかしGeophysicは夜間の保持姿勢で調整した結果がうまく反映されたものである。機械の特性としてどちらか優れているかは、まじめに姿勢差を測定しないと厳密には言えないが、Geomaticのほうが上だろう。

自動巻きの時計は、着用時に精度が安定する傾向にある。それは常に巻き上がっている状態に維持されている確率が高く、トルクが一定しているからに他ならない。精度のブレが少ないのは、多くの理由はそのためと思われる。また外乱により強いのは平ヒゲ・スムーステンプをもつGeomaticだろう。
一般論として、手巻きよりも自動巻きのほうが、使っている限り精度は安定する(繰り返すが当たり前)。そこから導き出されるモノは、手巻きと自動巻きの調整は結構別物なのでは無いか、ということだ。
すなわち自動巻きは、トルクが大きい状態での調整が大きく精度に寄与する。ここをかなり頑張っておいて、その後夜間着用しない時間(例えば約10〜12時間くらい、言い換えればPRの1/4〜1/5程度の領域)をターゲットに調整すれば、毎日使っているとこの程度の精度は出しやすい、ということである。このように精度チェックをしてみると改めて「自動巻きの利点」がクローズアップされると感じたのだ。
たたき出した測定結果から、この時計もGeophysic同様「鬼調整」がなされていると言える。その調整の要点は、このような自動巻きの特性を当然知りぬいた鬼調整師がやっているのであるからして、高精度ははなから期待できるものなのである。(とはいえ、今回のテストデータは飛びぬけたものだ。改めてJLCに脱帽する)。

<ROLEXとの比較考察>
ここでやはり引き合いに出さなければならないのはRolexだろう。
自動巻きに一日の長があり、さらに精度に貢献する部位に特に集中してブラッシュアップし続けているメーカーと言えるが、それは調整も含めて超一流であり、どこの雑誌のテストでもほぼ例外なく高精度(それも他を圧倒するほどの)をたたき出しているのにはそれなりの理由がある。すなわち、設計の妙と調整の容易さ、さらには、おそらくカンコツと経験の世界の「調整」をおそらくマニュアル化できるほどの、品質安定性が担保されていることが理由であると想像される。
そういう意味では、この40年前のGeomaticと現在のRolexは、得られた精度はどちらも同様に超高精度でも、そこは鬼調整師が手がけたであろう Geomaticと、セオリーどおりに調整すれば高精度が期待できるRolexは、プロダクトの性格は全く別ものと言えると思う。
私は、今のRolexも素晴らしいと思うし実際妻も使っているが、どちらかというとやはりGeomaticという時計の素性、機械、JLCという会社により大きな魅力を感じる。

<総論>
今回テストしたGeophysic、GeomaticはともにLe Sentierでの調整がなされた特別なクロノメーターであるが、その調整技術はさすがにオリジナルファクトリーだけのことはあり、その上で得られた精度は、まさに文句のつけようの無いものであった。
機械の性能そのものは、いたずらに新素材などを使って付加価値を高めた昨今の腕時計と比較しても、基本性能はすでにこのような50年前の腕時計(腕に限らなければ250年前の航海用クロノメーターでも)で十分である。昨今の新製品を見て思うのは、進歩しているのは製造技術(いかにオートメーション化するかと言う点と、品質の均質性くらいか)と油、あとは資本構造くらいか?
まあそんなことはどうでも良い。この時計たちが今後どのような運命をたどるか分からないが、おそらくコレクターの手にあれば100年後もこの性能を発揮しているに違いない。なんかそんなことを思った今回のテストであった。

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