« また手袋をゲット | トップページ | GeomaticとGeophysicの精度 »

2008年2月 8日 (金)

時計バブルはいつまで続く?

表題のテーマを考えようと思いつき、色々悩んでみたのであるが今の私には到底方向性すら見えないことが分かった。が、折角なのでその考えたことなどをつらつらと書きたいと思う。
まずは、時計の購買層についてである。
このバブルを牽引しているのは、私のような平民では無く明らかに富裕層である。で、時計バブルの将来はこの富裕層がどういう消費行動を取っていくのか、ということにほぼ直結する。
ちなみに時計はほぼブランドビジネスと考えて良いと思っており、独立時計師も「独立時計師」というブランドとしてくくれるかと思う。

時計購買層は、富裕層メイン、そしてUpperとLowerに分かれつつある中流層のうち、Upperくらいまでを相手にしているものと想像できるが、そのなかで本当にメーカーサイドにとって利益を生み出しているのはやはり高額商品を買うことができる富裕層であろう。
ちなみに、100万円の時計を100個売るのと1億円の時計を1つ売るのでは、後者のほうが利益率が高いのは自明だし、そのような商売にどんどんシフトしたいというのが各メゾンの思惑であろう。Upper20%の上顧客による消費行動が、収益の80%を占めるってのが後述の論文にも出てくる。
ってことは、もう無駄なことしないで上顧客だけを相手にすれば効率的にキャッシュを得ることが出来るわけで、ブランドビジネスの頭目であるリシュモンもLVMHもシイベルもそんなことは百も承知で、だから百貨店や高級専門店で時計を買う上顧客を目当てにパーチーを繰り返し開くわけで。
このような上顧客にあこがれる小金持ち(中流Upper層←中流二極分化によってセグメントとして括れるようになってきた、と認識)は、同じような消費行動にあこがれるので、ここを取り込むということも当然ブランド側はやるわけである。
ってマーケティングなんかはまるで私の専門外なのあるが、私の理解を整理するつもりで上の様な駄文を書いてみた。専門家には当たり前の内容であろう。
いわばこのようなリッチ層がどのような消費行動を今後取り続けるか、が時計バブルの将来そのものなわけである。
で、ブランドビジネスにおけるこのようなリッチ層をうまくパターン化できないものかと考えていたら、こんなのがあった。(前にChronosWebでもblogに挙げたやつである)

ココで言うコノシュアーリッチに買ってもらうことがブランドの目的そのものである。対してバブリーリッチには寧ろ買って欲しくない、というのが本当のところではないか。理由はDQNブランドに成り下がるリスクがあるから。
で、この論文で時計に置き換えるに辛そうだと思えるのは、コノシュアーリッチには審美眼がある、ということになっている。
でもこの審美眼にもレベルの差が物凄くあって、特に時計に当てはめると「このレベル差が物凄くある」ことはより顕著に言えると思っている。ここではヴォッテガが審美眼にかなったもの、という扱いであるが(本当か?)、よりマニアックになっていけばこういう一般的にすでにブランド展開されているものを超えた世界に行くであろう。でもそれは、時計で言えば`UnitasやChronosWebなどに集う完全なヲタの世界で、ブランドマーケティングの世界や時計バブルを論じる際には無視されてしまうべきものかもしれない。
ハンドバッグと時計が同一のブランドマーケティングだとするのは横暴な気もするし、そういう意味ではヲタ的な購買層が真の購買層のどの程度の割合を占めるかで大きく様相は異なってくる。
(今後「物言う消費者」になるという論点、またそこから発信する内容がコンシューマーにどの程度影響を与えていくことが出来るか、といったことはメディア論になるのでまた別途考えたいと思う。)

乱暴に言うと、おそらくハンドバッグの世界は、時計ほど深く無い。レベルの高いバッグヲタはいるかもしれないが、時計に比べてマーケットに与える影響は物凄く少ないと想像する。
しかし、時計の世界では逝っちゃってるヲタの発言力や影響力が、徐々にマーケットに影響を与えていると言えるであろう。最も分かり易い例は、IWCのcal.89や85系搭載のVintage時計の相場が、2chのオールドインタースレの影響あるいはさらにH氏やY氏の影響で、あっさりと倍以上になった、なんてのがあるわけだ。
2chのスレやユニタスの発言レベルでこんなに極端に影響されるってのは、「真のオタクが〔良い〕というもの」を欲しがっている層がそれなりの割合で存在する、ということであろう。そして真のヲタこそが審美眼を持っているものと想像しますが、これに続く89や85系の相場を押し上げた層が、手に入れた89の素晴らしさに気づき、ヲタ化していく。結果、審美眼を持った層が増えていき、本当にいいものしか買わなくなっていく人が増える、という図式である。

このときに入門者層が増えなければ、すなわちパイが一緒だとするとコストヴァリューに乏しい時計は売れなくなり、良い時計は売れる、という広告戦略があまり効果が無い時代に突入してくることが予想される。
しかし入門者層が今後も増え続ければ、良い時計は今以上に売れるけど派手に広告を打った時計もしっかりと売れ続ける、ということになる。
現在は、入門者層も増えていて審美眼を持ったヲタも増えている段階であろうが、これ以上パイが増えるか増えないかが、「広告戦略命、時計はまあこんな程度」なメゾンにとっての販売実績を大きく左右し、ひいては死活問題になるであろう。そういったメゾンにとっておいしいのはカネを持った入門者であるが、あくまでそういった入門者は、永遠にヲタ化してほしくないはずである。

で結局そうなるとメディア論を唱えないと今後の動きを予測するのは不可能なわけで、私のこの駄文は片肺だということに改めて気付いたのであった。

もうちょっと考えてまた書くかもしれない。
駄文終了。

|

« また手袋をゲット | トップページ | GeomaticとGeophysicの精度 »

コメント

私の完全なる妄想ですが、新興時計メーカーに関しては

①欧米のスターが身につける
②ファッション雑誌等のメディアが取り上げる
③日本のスタイリストが目をつけ、日本のスターに身につけさせる
④日本のファッション雑誌やTVメディアが取り上げる
⑤お水の世界に影響を与え、時計マニアではないリッチ層が見栄で購入する

といった流れで一種のブームが生まれ、バブリーになるように思います。

アンティークに関しては、言語の壁を越えられるかどうか、取引の際のリスクを個人でどれだけとることができるかが審美眼を持ったマニアにとって今後大きなウェイトをしめてくるのではないでしょうか。

投稿: ロン | 2008年2月11日 (月) 06時53分

コメントありがとうございます。
新興メーカーに限らず、有名人にあやかろうと思うところも当然あるでしょうが、それはどういう広告戦略を取るかの一つの手段に過ぎないような気がします。広告戦略によってバブルになるかどうかもそこにかかっている、と。
ゾンビ復活させる(名前を買うことによって伝統も買う)とか、そんなのも諸々の戦略の一つですね。
またVintageに関しては、ただ単に相場とヲタの影響力の関係を着眼した例で出したものです。ただ新品の市場よりもヲタ率が高いと思うので、現状でも既に審美眼は相対的に高いような気がします。

投稿: レベルソ好き | 2008年2月12日 (火) 16時48分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/160208/40049593

この記事へのトラックバック一覧です: 時計バブルはいつまで続く?:

« また手袋をゲット | トップページ | GeomaticとGeophysicの精度 »