« 2007年6月 | トップページ | 2007年9月 »

2007年7月 8日 (日)

GSクロノのインプレ

グランスポールクロノではなくGrand Seikoの新作の方を触ってきたのでとりあえずインプレ。結構罵倒しているのでそのつもりで。
デザインに関しては、クロノの表示を左右に分けて表示したところ、ハンドの長さがようやくインデックスに届くようにしたところなどは良いと思うが、相変わらずロゴがしつこい。またパワリザの位置とかが意味不明である。このデザインはじっくりと解析しなければ分からないところもあるのだが、はたして黄金率は出てくるのであろうか?

さて操作に関しては、プッシャーの感触が致命的に良くないと感じた。これは完全に考え方で評価が違ってくるものであろうから、これが良い、さすがSeikoだ、と思う方もいるであろうし、それはそれで良いと思う。

しかし私の評価としては、これは最低に近い。なぜかと言うと、SSでこの値段というのはGSでは最高峰クラスの値段であって、いわばGSのフラッグシップである。SeikoはGSには堅牢かつ高性能で高精度という性格を求め続けているわけであるが、実際には「高級な」というファクターが希薄である。いや機械を除けば見た目は高級感はありありであるが、プッシャーの感触は、全く高級感に欠けるものである。Seikoの説明は、ストップウォッチとして、節度感のある感触を実現した(半押しできる、とか)とのことであるが、目指すべき方向が最早あり得ない。
高機能=ストップウォッチ、という発想の貧困さは誠に嘆かわしいものである。フラッグシップなので高級感が必要だと言うのは暴論では無いと思うのであるが。

この時計に私が理想的だと思うようなプッシャーの感触は、ずばり昔のVenusやバルジューのそれである。よく整備された、可動部のフリクションをほとんど感じさせない、あのピンッという感触。ウルトラスムースで、プッシャーも「押し込む」モノではなく「触る、はじく」というような感覚で操作が出来るものである。この操作感は、現行クロノにはほとんど残されていないもので、これをあえて今防水性を確保したままで実現する、というのがインパクトあるのでは無いか。見た目も高級、触ってさらに高級、これこそ目指すべきものではないか。堅実なGSの性格に合わないと考える人を、そのあまりに素晴らしい感触で黙らせてしまうほどのインパクトを与える、そういう設計をするべきであったのではないか?と思ったわけである。

繰り返すがクロノ=ストップウォッチという極めて貧困な発想のみでこの方向性が決まっている。誰か反対した人がいるのかどうかは全く分からないが、事実として「ストップウォッチの操作性を目指す」という方向性のもと、このプロダクトは生まれている。これが、今まで私が書いた「高級時計を作ったことが無い」ということの影響だと感じるのだ。ストップウォッチならそれはたくさん作っているし、そういう操作感の実現はたしかに見事に出来ており、狙い通りだ。しかし、それ以外の狙いに向かない、ということがこの会社の性格なのである。

かくしてこの最新鋭のGS、またしても私に言わせれば「あ〜あ」である。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

« 2007年6月 | トップページ | 2007年9月 »