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2007年6月12日 (火)

次代の潮流その2

クロノスイスのImperatorの解説を読んでいて、思いついたので書く。この近未来予想は当たるのであろうか?
さてSwiss Madeと標記できる出来ないの件は5/4のblogに書いたとおり。そして儲け第一主義のスイス時計産業が、東からの波によって駆逐されると言う近未来を予想した。

これのカウンターとなるのが、去年はFranckのTotally Switzerlandであり、今年はChronoswissのImperatorである。特に後者は、クロノスイス独自基準により"CASP" (Certified All Swiss Parts)標記を提唱している。
これがどういう意味を持つか。ラング氏は他のスイスブランドとは違う、という差別性を、この標記によって明確にし、区別しようとしている。これは時計好きとして納得できるところであるが、同時に経営者としても素晴らしい判断だったと言えるのではないか?と思う。

今の潮流を見てみよう。2chなどで言われた「ETAポン」という言い方。中身はみんな一緒。一緒じゃ嫌だから、差別化する意味で「マニュファクチュール至上主義」が生まれた。それにスウォッチグループのETA供給停止(2010年問題)が絡み、一気にマニュファクチュール化が進んだ。よく言われているように、ムーブメントの開発は一朝一夕では出来ない。とはいえ、CAD/CAMといったテクノロジーの進歩の恩恵を受けることは可能である。

しかし、5/30のblogにも書いたとおり、設計はまだしも生産段階における機械化は大規模投資であり、ペイするように生産するには規模の経済に頼らざるを得ないのが実情だ。故に売るために広告などの投資が増えていき、バランスシートは一介の時計メーカーらしくなく、大企業のそれになっていくのであろう。

話が飛んだので元に戻す。
マニュファクチュール化が進んだ先の差別はどうするのか?「マニュファクチュール」を謳っても、「全部スイス製」でもないかもしれない。またETA供給停止の話を受け、ETAは、蔑みから寧ろ「もう手に入らなくなる」といった危機感と、「スイス製」であるということから急速にETA崇拝(若干オーバーな表現だが)に移行しているような気もする。これはどういうことか?
Swiss madeの基準が緩和され、魔界製(大陸製)が増える。しかしムーブメントはスイス製じゃなきゃ機械式時計としての価値が無い、と考えるユーザが今現在も大多数であろう。そうなると、私の結論としては次代の潮流は「全部スイス製」だ。Swiss Made表記が神通力を失い、マニュファクチュールでも大陸製産すら始まるかもしれない。そうなったら「全部スイス製の」マニュファクチュールが最高に崇拝される時計で、次は「全部スイス製」だ。機械式時計の幻想は、「全部スイス製」に行き着くのである。
考えが非常に散漫になってしまったが、図に書くと以下のようなものか?
Casp

繰り返すが「スイス製のマニュファクチュール」が最強で、次に崇められるモノは「全部スイス製(CASP)」である。COSCなどでは無い。全部スイス製、これこそが次代の潮流ではないかと強く感じるのだ。

さて、また一気に話が飛ぶ。
ここに国産の、特にSEIKOの勝機はあると感じる。全部スイス製じゃない時計はもういらない、じゃ「全部日本製」は品質高そうじゃないの?というわけである。ジャパンメイドの価値を、世界中の人間の頭に刻み込まれたジャパンメイドの威光を最大限振りかざすのだ。

私はSeikoに提言したい。ここ2〜3年で「全部スイス製」至上主義の時代が来ると予見するが、その間に「全部日本製」の質の高さと独自のテクノロジーをアピールし、全部スイス製じゃない時計の受け皿として「全部日本製」という選択肢があることを猛アピールするのだ。そして、全部スイス製じゃない時計としての受け皿となるべきGSのシリーズ拡充を図り、変に考えすぎず、セオリーを守ったなかで独自色を出すようなデザインで時計を作りまくるのだ。それは、絶対にガランテでは無い。
そしてその時計には、「GS」「Grand Seiko」「SEIKO」と同じ事を三回文字盤に表記することだけを止め、針の長さに気を遣って欲しいと心から願う。
5/4のblogに書いた「東からの波」は勿論魔界製を指しているわけであるが、これにオーバーラップする大波を「極東から」起こして欲しいわけである。
いささか突拍子も無い考えかもしれないが信じる信じないは全く読者の皆様の自由である。さてどこか勇気のある時計メーカーは、私をコンサルとして雇いませんか(笑?

追記
クロノスイスは、あの超絶針は日本のメーカーが作っていることを知っている。(Nikaさんが言う近江精機かどうかは知らない)。でもImperatorは違うのであろう。
日本製は最高の針の一つとしてと挙げられる、と少し前から思っている。
クオリティが高ければ日本製でもスイス製でも私にはどうでも良いが、将来的に「全部スイス製」にこだわる余り質の高い日本製の針が今一なスイス製に置き換わっちゃったら嫌だなあ、と思う。

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コメント

それはやだなあ(笑)
セイコーの針は最高ですからねえ。
いずれにせよ、ロゴの話は大賛成。ロゴはシンプルにしてほしいなあ。あと、針の長さもそのとおりですね。しかし、そう考えると、やはりクレドールのスプリングドライブはすばらしい。(笑

投稿: スプー | 2007年6月13日 (水) 00時11分

毎度ですが非常に興味深く拝読させていただきました。
私のような初心者は煽られて「全部スイス製じゃなきゃダメ信者」に簡単になりそうです。
CASPについては要注目ですね(ウソ八百でも)
日本人ですからSEIKOには是非とも頑張っていただきたいです。ここはやはり貴殿がコンサルとして乗り込むべきです(笑)千載一遇のチャンスなんですからね~。
次はSDについてお願いいたしますm(_ _)m

投稿: | 2007年6月13日 (水) 10時57分

上の書き込みは私です。すいません。
まともな文章書けるように勉強いたします(爆)

投稿: gisuke | 2007年6月13日 (水) 11時00分

コメントありがとうございます。

>>スプーさん
Seikoの針は最高ですよね。国産針はもっと見直されて良いと思っております。たしかにクレドールの針は良い。長針ちょっと短いですが。

>>gisukeさん
CASPならぬCAJPを、今こそ盛り上げるべきかと思います。
SDクロノは悪くないですが、もっとこうすれば良いのに、といったところも多く感じました。

投稿: レベルソ好き | 2007年6月14日 (木) 12時09分

うはは。セイコーのテンパー針、綺麗すぎて風情は
ちょっと足りませんが物は最高ですね。あれだけで
欲しくなります。お金余裕で来たらノードの青焼き
バージョンでも買おうかな?

後は誰か乗り込んで企画とかデザインとか統括してくれ
(つД`)
その辺はカシオ・シチズンの方が潔いぜ。

投稿: 白苺 | 2007年6月16日 (土) 09時15分

どもです。
ノードも良いんだけどもう少し大きさが。針は最高なんですがねえ。本当に誰か頼みます。

投稿: レベルソ好き | 2007年6月18日 (月) 18時04分

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前回の一時的なバブルなのか新秩序への移行なのかを受けて、じゃあ次に何がくるのか、というのを書いてみたくて少しブレインストーミングしてたんですが、レベルソ好きさんに次代の潮流その2と国産時計への勝手な思い立て続けにツボにくることを書かれてしまったので、私としては頭の整理ができて大変ありがたく思う一方で、あれ以上に書けることなどあるのだろうか、と思いもするのでした。 でもちょっと書いてみます。... [続きを読む]

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