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2006年9月 6日 (水)

今年の潮流 Part 2

明らかにジャーナリスト諸氏はリヒャルト・ランゲが今年を象徴する名作だ、と捉えており、基本的に全く同意する。
精度を追求した全く新しい三針時計が、30mmを越えるサイズの完全新設計機械を登載して発表されたということが、非常なトピックであることは疑いが無い。
この時計はデッキウォッチ(マリクロではない。ポケットクロノメーターはデテントのイメージだが、それがレバー脱進器になっても高精度をたたき出すことが出来たもの)のイメージで作られており、ムーブメントに比べて若干大きめ&厚めなケースサイズでデザインされたものと認識する。センターセコンドにローマンインデックスというところ、シングルサンクのダイヤル(イメージ)、とかなり古典的な外見でやっぱりそそられる。この時計は、センターセコンドのデッキウォッチの再現であるから出車は極めて正統で、そしてこの出車ブリッジがあるために機械が厚くなった。この厚さとバランスを取るためにやや大きいダイヤルとケースが与えられ、この時計が出来上がったと捕らえている。なお長針も先端をカーブさせていなかったり、玄人がツボであるポイントよりもオリジナルのイメージ、正統さ、真っ当さにウェイトをおいているあたり軸がぶれていない。このアティチュードは非常に共感する。

しかしここまで素晴らしい時計でも完全に好みかと言えば、微妙に違う。デッキウォッチとしてこの時計が正しいことを認識しつつ、スモセコが8時位置でもいいから出車をやめて、ケースサイズも37mmくらいにして、出車のブリッジを削った分、ケースも若干薄く、ダイヤルはローマン、シルバーダイヤルか出来ればポーセリン(12が赤はやめて黒で)、針はランゲ標準で十分なのでスモセコは青針で。こんなのを出されたら即決なのだが。

ではリヒャルト・ランゲがダメと言うことは全く無く、やはり誰がなんと言おうと素晴らしい時計だ。感心したのは、機械は最新の機構でありながらトラッドな外見を持ちえたことである。フリースプラングにしてスワンネック(=緩急針の微調整機構)付きというのは、最初は理解できず矛盾していると思ったのだが、このスワンネックはヒゲ持ちの微調整に用いると聞いて納得という次元を超えて、これはすばらしい機構であると思った次第。
GOのダブルスワンネックでは「ふーん」だったのに。これはGOのように緩急針とヒゲ持ち両方とも微調整できるのも良いが、どちらかと言うとフリースプラングでこそ生きる機構だと思う。そして、フリースプラングでチラ無しのCリングのマスロットつきテンワ、4本アミダ(しつこいが)というのは今最も私が痺れる仕様である。
ということで、あらゆる視点で見てもこの脱進機周りは実に素晴らしい。
出現の仕方は突然変異的に感じるかもしれないが、この時計は実に古典に則っている。そして道を踏み外さずに機械式時計として正常進化しており、これが機械式時計史に残る名作であることは疑いが無いであろう。

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コメント

リヒャルトベースの小振りなスモセコ、そんなのがあったら、確かに即決です。
でも、限定プラチナのみで300万とか言われたら、、、キツイなあ。

投稿: Toku | 2006年9月 8日 (金) 19時56分

コメントどうもです。
そんな時計が出てほしいような、出てほしくないような。
でもPt300マソだったらちょっと手がでないですね。来年に期待しましょう!

投稿: レベルソ好き | 2006年9月 8日 (金) 23時03分

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