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2006年2月13日 (月)

スイス時計産業について思ったことを少し

スイス時計は今、変革の時期を迎えているような気がする。
そもそもスイスと言う国自体が、ギルドとかジュネーブシールとか組合とか様々な方法で業界全体を守ってきたわけであるが、それが今や独逸に猛追されているのが現状かと。
しかしランゲやGOなどは巨大コングロマリット傘下にあるので(すなわち経営は経営のプロに任せて、開発・製造はそれぞれのメゾンが行う方式)、この系統はスイスメーカーと大差ない。経営が別母体という意味で。

近年のスイスの時計メーカーは一大グループを作って、そこで有機的に機能しあって構造的に成り立ってたように思う。
で、そのグループ(というか、コングロマリット)は、収益を上げるためにどんどん中核会社(持ち株会社)の支配率を上げ、CEOを派遣してくるようになる。典型的な例はLVMHからやってきたナタフ氏。この経営に長けたCEOに牛耳られメゾンそのものが新CEO色に染まり、ほぼ例外なく儲け第一のブランド戦略に則った新製品群が市場投入されるとともに、広告戦略なども一変する。
果たしてその結果、経営センスはあるので2〜3年で収益は上がり、見た目上優良企業化する。分かりきったことで恐縮であるが、こういうことだと解釈している。
JLCも例に漏れずである。ちなみにJLC日本CEOも去年変わったが、この人もリシュモンS.A.の人で、しかも時計に詳しくない。

閑話休題。経営母体から派遣されてきた雇われCEOは、派遣先の業績向上がミッションであるためなりふりかまわず業績向上を図るはず。で、この人がそのメゾンの持つ歴史や顧客層、なにより時計そのもの、その他取り巻く環境など様々なことに深い知識を有したうえでそれを消化しきれていないと迷走し始めるわけである。とりわけ大事なのは、そのメゾンを好んできた旧来の顧客であるはず。
Zenithはそれをばっさりと切り捨てる経営戦略を取った。その結果業績は向上し、優良メゾンになった(ように見えた)。ところが何年かのちには、旧来の顧客を切り捨てたツケが回ってくるとも限らないのである。
ま、こういうのを私のようなずぶの素人がウォッチしているのが楽しいのかもしれないが。

で、今迷走するJLCが旧来の顧客層も納得できるような路線に戻るかどうかは、やっぱり雇われCEOの資質によるところが大きいであろう。誹謗中傷になってしまうかもしれないが、JL氏=マガリ女史ラインが消滅しないと厳しいだろう、と感じている。(私は拘るようだが、マスター・レベルソ・アトモスしかJLCは作らないのだ、と3年ほど前に話していたJL氏があっさりとイデアル出したり、と今一信用できないのである)。でも売上げは明らかに伸ばしているから、この路線を現経営陣で変更してくるとは思えないのでこの先の見通しは非常に暗い。しかもJL氏は若いので一体何年居座るやら!?
技術陣は間違いなくスイス時計業界の中でもずば抜けた力を持っているのに、本当に残念。例のチームを組んでの開発手法、あれは今どうなっているであろうか?デザイン優先になっていないか?

一方、GPなんかは相変わらずの家族経営で、垢抜けないのは否めない(イメージだけで語ってスマソ)が、なんか良い。VacheronのCEO交代は英断であろう。これからが期待できる人事である。PPは息子さんのセンスにかかっていると思うがいまのところ評判は芳しくない。逆にビバーさんのように強力な人を迎え入れたウブロなんかは、もう明らかに勢いがついている。それが良いのかどうかは私には判断つきかねるが。本当はブルムラインさんのような人が良いのであろうか。

なにはともあれ、当たり前だが結局は"ひと"である。(だから独立系が良いのだ、という答えに帰着するのは極めて自然であろう。)

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