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2006年1月11日 (水)

イングリッシュレバーについて(その2)

前段の話をするのを忘れていた。
Cutmore氏によれば、エスケープメントは大きく二つのカテゴリーに分けられる、と言う。その二つとは、friction rest かdetachedか、ということである。前者は、Verge・Cylinder・Rack lever・Duplexが主なもので、後者はMassey lever・English lever・Detent・Swiss leverなどである。この区別の方法は、時計が動いている中でガンギ車(Vergeはクラウンホイール)が静止しているときにガンギ・天真のテーブルローラーやパレット(爪石)と摩擦が生じているかいないか、ということである。シリンダー脱進機の例を考えると分かりやすい。シリンダーの切り込みがガンギの歯の向きに合ったときにガンギ車は進むが、その合う前は回転するシリンダーの外周をガンギの歯が接している。すなわちシリンダー外壁と摩擦が生じているわけである。ラックレバーも、つねにラックとピニオンがかみ合っているのだから四六時中摩擦は生じている。なおここでいう摩擦とは、天真の軸受け部で生じる摩擦のことは考えていない。
そして、Detent やMassey leverになって初めて、テンワが回転している間の大部分が摩擦から開放されるのだ。私はこれをdetachedと表現していると理解した。
機械式時計の歴史はそもそも摩擦との戦いである。Jewelであったり油であったり。そんななかで、detachedになって精度そのものが飛躍的に向上したことは想像に難くない。
そんなことで次回に進む。

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