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2006年1月12日 (木)

イングリッシュレバーについて(その3〜Massey lever)

前回の記事によりMassey lever脱進器がVergeやCylinderなどと比べて根本的に素性の良いものだと言うことが理解できたであろう。以下は例によって意訳である。

Masseyは1814年、ライトアングルレイアウトの分離レバー脱進器を考案した。この脱進器のそもそものコンセプトは、ラックレバーから発展したものだと言われている。というのは、これはラックレバーの天真のピニオンギヤが1歯のみになったものであり、それがレバーに取りつけられた2歯のみのラックとかみ合う形式だからである。天真のローラー(ラックレバーのピニオンにあたるもの)は、オリジナルではスチール製であり、これこそが1歯のピニオンギヤにあたるものである。最初期のMassey lever脱進器は、ラックレバー脱進器のように30歯の大きなガンギ車を持つ3ギヤートレイン輪列であったが、後期には一般的に見られるような(ギヤートレインは4番まであり15歯のガンギをもつ)ものになった。

これに続く進化は、1歯のピニオンギヤだったものがjewelを用いたクランク状の形式になり、これがレバーのスロットに勘合するようになった。この脱進器はクランクレバーあるいはクランクローラー脱進器とも言われている。

Massey lever escapementの重要な点は、イングリッシュ"table-roller" レバー脱進器(いわゆるイングリッシュレバー)へと続くものであることが明白なことだ。
マッジや他の時計士たちはレバー脱進器の時計を1770年から1800年の間に作ったが、vergeかcylinder脱進器に取って代わるものとして進歩することはほとんどなかったように見え、この期間に作られたレバー脱進器の時計は数少ない。Masseyの設計は、特に後期型は相当数が生産され、真に成功への道程を導いた。こういった状況の組み合わせを鑑みると、設計云々ではなくむしろレバー脱進器の支配は1814年に始まったといっても過言では無いのである。

このような作用は全ての形式に見られる。テンワが中心弧を描いて揺動するとき、ローラーの歯またはjewel(impulse pin)はレバーの端のスロット(切り欠き)に勘合し、ガンギ車のロックを外す。Jewelは(ガンギ車から伝達された)衝撃をスロットから受け、テンワはこのアクションから分離(detached)される。ガンギ車は自由振動における分離された一瞬においてレバーのパレット(つめ石)の一つにより再び停止される。テンワが揺り戻したとき、ローラー歯あるいはjewel(impulse pin)は、レバーのスロットを再び拾ってガンギ車を開放し衝撃を受け止める。振動するテンワが開放されている間(detached portion)、レバーの爪石はガンギ車の歯の中に留まる。このポジションから、ガンギの歯の間への爪石の出入りがなく、レバーの切り欠きの外側が天真ローラーの円形外周面に留まるため、輪列を開放することを止め、脱進器へダメージを与える。この安全なアクションは、摩擦と、分離されたテンワによる正確な時間保持の可能性における有効性の破壊を導く。なぜなら性質上そのアクションの欠陥のある動き、それは摩擦の生じる静止状態であるからだ。テンワがゆり戻してローラー歯ないしjewel(impulse pin)が適正な状態になったとき、レバーのスロットは勘合して正しい動きに直す。その結果、摩擦が生じるのは一瞬のことになる。

後半ぐちゃぐちゃですが、何を言いたいのかと言うとテンワが揺動してjewelがスロットに勘合してレバーを動かしたあとのテンワが自由振動する間、レバーのスロット外端は天真ローラーの外周に接している時間があり、ここでは正確なときを刻むためには良くない摩擦が生じ、脱進器にダメージをもたらす。しかしその間は短い、ということかと思う。

懲りずに続く。

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